汁物に関する実験

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汁物は日本料理において食欲をわかせる重要な要素であり、一般にかつお節や昆布、煮干しを材料としてとっただし汁が用いられる。本実験では、これらのだし汁の味や香りを比較するとともに、その用途を考える。また、混合だし汁を調整してうまみの相乗効果を確かめる。

実験材料

材料 かつお節(削り節)12g+15g、昆布12g、煮干し(頭と内臓を取り除いたもの)8g、食塩、その他

実験操作

  1. 以下の条件で、(参考)に示した方法でだし汁をとる。とっただしの蒸発量は補っておく。
         準備(898KB)
    1. かつお節12g・水600ml(2%)

      準備
        
       かつお節だしをとる(2.3MB)

    2. 昆布12g・水600ml(2%)

      準備

    3.  昆布だしをとる(1.0MB)

    4. 混合だし: 1と2を200mlずつ合わせて400mlとする(各1%)。



    5. 煮干し(頭と内臓を取り除いたもの)8g・水400ml

      準備

    6.  煮干しだしをとる(1.3MB)

  2. 1〜4のだし汁の食塩濃度を塩分計で測定する。


     かつお節だし塩分測定(1.6MB)


     昆布だし塩分測定(2.8MB)


     混合だし塩分測定(898KB)


     煮干しだし塩分測定(848KB)


  3. 各だし汁に0.4%の食塩で味を付ける。

     食塩計量(1.7MB)  食塩で味付け(3.1MB)


    ただし、4については、半分に分けて、一方は食塩、他方はみそで味付けする(みそ汁は軽く沸騰させる)。



     みそで味付け(3.0MB)

  4. それぞれの汁を味わい、味・香り・用途について表にまとめる。


(参考)

種類 材料名 使用量
(%)
取り方 用途 旨味成分
かつお節
一番だし
かつお節 2〜4 水が沸騰したら、かつお節を入れ、再び沸騰してきたら火を止め、かつお節が沈むのを待って上澄みをこしとる。 すまし汁
煮物
イノシン酸
かつお節
二番だし
かつお節一番だしのだしがら 4〜8 一番だしのだしがらに半量の水を入れ、約3分沸騰させて火を止め、かつお節が沈むのを待って上澄みをこしとる。 みそ汁
煮物
イノシン酸
混合だし かつお節

昆布

1〜2

1〜2
  1. 昆布は、ぬれ布巾で砂やごみを拭き取り、水に昆布を入れて火にかけ沸騰寸前に取り出すか、水に30〜60分つけた後、取り出す。
  2. かつお節は1が沸騰したところへ入れ、一煮立ちしたら火を止めて上澄みをこしとる。
すまし汁
蒸し物
イノシン酸
L-グルタミン酸
煮干しだし 煮干し 煮干しは頭と内臓を取り、小さくさいて水に入れ、2〜3分沸騰させて火を止め、上澄みをこしとる。あるいは30分水につけたあと、98℃で1分間加熱してもよい。 みそ汁
煮物
麺類
イノシン酸

実験結果(例)

食塩濃度

かつお節だし 昆布だし 混合だし 煮干しだし
食塩濃度(%) 0.10 0.27 0.19 0.11

0.4%食塩添加後の食味

香り
かつお節だし 旨味より塩味を感じる 香りがよい
昆布だし 昆布の味がする
塩味が強い
昆布の香りが強い
混合だし 最もおいしい 昆布の香りが少しおさえられた
煮干しだし 少し塩辛い
*みそしるはおいしいと感じた
魚くさい
★撮影協力:徳島文理大学 人間生活学部 田村研究室